分からない単語が出た!TOEICで知らない単語に遭遇した時の攻略法
英語の文章を読んでいて『英語の文章の意味がわからないな』と思うときはどんなときでしょうか?
もちろん、文法的に意味の分からない文章というものも洋書や映画などではたびたびでてきますが、TOEICなどで『意味がわからない』と思う場合の大半は『単語』あるいは『イディオム』が分からないというケースだと思います。
今回は、長文読解中に『不明な単語』に出くわしてしまったときの対処法です。
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不明な単語に出くわしたとき
前提条件として、どんな文章であろうが必ず『不明な単語』はでてくると思っていてください。この世のすべての英単語を網羅することは不可能ですし、単語が組み合わさってまた異なる意味をつくることもあります。
ですので、全部英単語を覚える必要はありません。多少なり分からない英単語が出てくるのは自然なことだと思っていてください。
不明な英単語は多少出て来ることが当然だと思うこと!
日本語の文章でも、ときには我々の知らない単語、というものはしばしば登場することを考えてみてください。例えば、以下の文章を見てみましょう。
優子は艀から上ってくる幸二に、むかしよりももっと精悍な、いくらかは痩せはしても少しも衰えない青年の姿を認めた。彼は胸のあいたシャツに夏の背広を着て、片手には小体な鞄を提げ、片手を快活に振り回していた。
(三島由紀夫 獣の戯れより引用)
この文章の中で、精悍や快活、といった言葉は日常会話ではあまり見かけません。多少文章に造詣のある方でしたらすんなり理解できるかも知れませんが、例えば『艀』などは分からない方が多いと思います。
ただ、これらの単語が分からないからと言って、一々辞書を引いたり、文章全てが分からなくなる人はいないと思います。これは、我々がこうした単語を知らなくても『なんとなく』理解できるからです。
これは、英語に関してもスタンスは同じです。以下、これを英語の文章に適用させたパターンをみていきましょう。

艀とは船と陸を繋ぐ小舟のことのようです
英語の文章をすらすらと読むには
先ほどの日本語の文章の例と同じようなことを、最終的に英語の文章でできるようになることが目的です。すなわち「分からない単語を推測する」技術です。
そのためには、文章を読む際に以下のことを心がけるようにしてください。
- 英文を読むとき、1回目は辞書を用いない
- 文型を意識して単語の意味を推測する
以上の2点です。以下、それぞれの詳細に関してです。
1.英文を読むとき、1回目は辞書を用いない
これは、外国語を勉強する際の鉄則です。試験では当然辞書は持ち込めませんので、普段から辞書を見ずに、単語を推測する癖をつけておかないと、後から困るようになります。
10%~20%程度の分からない単語量であれば、後述するように『文型』さえ意識すればそこまでの障害にはなりませんので、立ち止まらずに読むようにしましょう。
2.文型を意識して単語の意味を推測する
文型に関する説明は、以前文法のところでまとめましたので参考にしてください。
そもそも文型とは、ということですが、要するに文章の構造です。英語の場合は5つのパターンがあり、必ずそのどれかに当てはめられて文章がつくられています。
この『文型』を意識することが今回のポイントです。まず、日本語で少し例文をだし、次いで英語の例文にうつります。
エボラ出血熱に感染した疑いが出ていた東京都の××××は、国立感染症研究所での検査で××××だと分かった。ただ、男性は検疫所による「健康監視」の対象になっていたのに、指導を守らずに近所の診療所に××××、一時所在不明状態になるなど、「感染拡大の危険もあった」(関係者)という。防疫態勢の××××が改めて浮き彫りになってきた。
(11月8日付 Yahoo!ニュースより引用 一部修正)
これはYahoo!ニュースから引用した新聞記事ですが、上記のように××となっているところは何の単語が書いてあるかわかりません。
ここで考えていただきたいのが『××××』には名詞が来るのか、それとも動詞や形容詞や副詞がくるのか、ということです。
ひとつずつ当てはめていただければわかりやすいと思いますが、例えば最初の
エボラ出血熱に感染した疑いが出ていた東京都の××××は
と、いう文章ですが、この××××には何が来るでしょうか?以下の中から少し考えてみましょう。
- 名詞:東京都の『人、物、場所』は
- 動詞:東京都の『行く、話す、食べる』は
- 形容詞:東京都の『美しい、楽しい、嬉しい』は
- 副詞:東京都の『とても、速く』は
ここでは『エボラ出血熱に感染した疑いが出ていた東京都の』までがその後にくる『名詞』を修飾している文章ですので、ここにはおそらく『名詞(人)』がくることになります。
あとは『男性』なのか『女性』なのか、それとも『子供』『老人』『外国人』といった名詞がくるのかはわかりませんが、少なくともここに『人』を表す単語が入るということが分かれば、以降の文章の意味には差し支えありません。
ちなみに以下が元の文章です。
エボラ出血熱に感染した疑いが出ていた東京都の60代男性は、国立感染症研究所での検査で「陰性」だと分かった。ただ、男性は検疫所による「健康監視」の対象になっていたのに、指導を守らずに近所の診療所に行ったり、一時所在不明状態になるなど、「感染拡大の危険もあった」(関係者)という。防疫態勢の盲点が改めて浮き彫りになってきた。
参照元:Yahoo!ニュース – エボラ騒動いまだ課題山積 防疫態勢の盲点、騒動で浮き彫りに (夕刊フジ)
こうした『文型』を考えるプロセスを、我々は日本語の場合無意識に行っているのです。では、これを英語の文章に適用させればどのようになるでしょうか?
英文の中で知らない単語に出くわしたとき
今度は適当に英語のニュースから例文を引っぱってきました。以下の文章の黒字になっている単語の意味を分からないものとして考えてみましょう。
The family of a man who reportedly murdered a 22-year-old woman in an act of cannibalism say they are in “complete shock”.
最初の文章の主語と動詞をまずは考えてみましょう。すべての英語の文章には主語と動詞が存在します(命令形を除く)。
この段階で、主語や動詞が欠けていれば、分からない単語は『主語』または『動詞』に該当するものだと明らかになります。
しかし、この文章の主語はすでに『The family of a man(彼の家族)』という句が、動詞は離れたところに『say』という単語が占めています。ですので、以下のように埋めておきましょう。
- S:The family of a man
- V:say
ですのでこの『The family of a man』から『say』までの間にはmanを修飾するための『関係代名詞』であることが分かります。情報としては必要ですが、文章の構造自体には影響を及ぼさないところです。
つまり『who reportedly murdered a 22-year-old woman in an act of cannibalism』という文章には再び『主語』と『述語』が必要になりますが、以下のようになります。
- S:who
- V:murdered
さて、ではこのSとVの間にある『reportedly』とはなんでしょうか?名詞ではありません。名詞がここでwhoのあとに重なると意味として変ですし、動詞もすでに一つあります。
形容詞は名詞を前から修飾しますので、ここでは『副詞』であると推測可能です。副詞は、程度を表したり、文章自体を修飾するものですので、極端な話無視しても文章の骨子を理解するのには影響ありません。
こうした『文型』を意識しながら文章を読むことを行えば、分からない単語が出てきたとしても、主語なのか、動詞なのか、名詞なのか、形容詞なのか、といろいろ推測を立てられることができます。
ちなみに、日本語訳です。
The family of a man who reportedly murdered a 22-year-old woman in an act of cannibalism say they are in “complete shock”.
『伝え聞くところによると、22歳の女性を食肉目的で殺害した男の家族は「完全にショックである」と語った』
reportedlyの意味は新聞用語で『伝え聞くところによると』ですが、別にこの一句が無かったからと言って文章の大勢には影響しないことが分かります。
繰り返しになりますが、辞書を使わずにこのように推測する癖をつけて普段から英文を読んでいれば、自然と英単語を推測する力が身につくようになります。