イギリス英語圏では一般的。TOEFLと並ぶ大学入試向け試験IELTSとは?

IELTSとは、International English Language Testing Systemの略称です。日本ではTOEICやTOEFLに比べて知名度は低いですが、イギリス、ニュージーランド、オーストラリアといった、いわゆる「イギリス英語」圏では大学や大学院受験に使用される英語試験です。

本家本元の英語発祥の国、イギリスです。戦時中に多少、ドイツ軍に壊されましたが、伝統的なレンガ造りの町並みは健在で、いまだに旅行者を魅了します。お隣のアイルランドも、お隣であるのでそれなりの影響を受けています。そもそもイギリス英語(British English)、アメリカ英語という二大流派自体が、発音より以前に、文法的に、あるいは慣用句的に様々な違いを見せており、それがオーストラリア英語、ニュージーランド英語、カナダ英語などに影響を与えているのです。

とはいえ、アメリカの大学や大学院でも使用されるようになり、その知名度は近年増しています。今回は、IELTSについて詳しくまとめていきたいと思います。

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IELTSに関する基礎知識:TOEFLとの違い

IELTSは英検などと違い、合格不合格がありません(そこはTOEIC,TOEFLと同じです)。スコアは1.0~9.0の0.5刻みで採点され、6.0以上であれば一応最低限ですが、英語が使えると言ってよいレベルです。

まず、IELTSは基本的には「受験」に使用される英語試験であることを理解していてください。ですので、TOEICのように日本の就職活動などで有利に使用されるかどうかは、正直なところその会社による、といった感じでしょうし、面接官がIELTSを知らない可能性も十分に考えられます。

さて、アメリカやイギリスの大学、大学院、あるいはMBAを受験するとなると、成績やGMATのほかに、当然のことながら講義でついていける高い英語能力が求められます。

もちろん、大学や学部によって異なりますので、一概には言えませんが、TOEFLであれば最低でも90以上、IELTSであれば6.0以上くらいは必要になります(ヨーロッパの大学院などでは、まれにTOEICも認められているところがありますが)。

正式な換算表はありませんが、ヨーロッパの成績換算テーブルを見てみると、大学の講義についていける最低限の英語ランクはB2で、以下のような形になっています。

TOEFL ibt :79~95
IELTS :6.5~7.0

TOEFLの公式サイトにも、実際にIELTSとの比較はこのように書かれており、個人的にはこの難易度には納得です。ただし、実際には、このテーブルを踏襲している大学や大学院は少なく、入学要件として、例えばTOEFL 90 点 または IELTS 6.0点とか、TOEFL 100 点 または IELTS 6.5とか、微妙にIELTS有利に解釈されているところのほうが多いです(勿論、例外はありますが)。

そして、上記のようにTOEFL90点かIELTS6.0点か選べと言われたら、私は間違いなくIELTSを使って受験することを選びます。というのも、TOEFLは、以前説明したとおり、とにかく問題数が多く、単発で家で練習問題をやる分には高得点が出せるかもしれませんが、一日通してやると自分の思ったような結果が出せないテストです。

TOEICでは長くとも半年勉強すれば900点はとれますが、TOEFLは半年勉強したからといって100点とれるとは限りません。TOEFLは受験費用も高いですし、スピーキングやライティングの勉強は一人ではしづらいのもネックです。

一方、IELTSはスピーキングと筆記試験の日にちをずらすことが可能ですし、問題数もそこまで多くありません。さて、具体的に以下、IELTSの問題形式に関してみていくことにしましょう。

IELTSの問題形式

IELTSの問題形式は、リスニング、リーディング、ライティング、そしてスピーキングです。科目はTOEFLと同じですが、リスニングとリーディングの出題順序が逆なところと、問題の形式や時間に関して若干の差異があります。

以下、それぞれの科目ごとの違いについてです。

リスニング

TOEFLのリスニングは、講義や会話を聴き、マークシート形式で画面の回答をタッチするものですが、IELTSの場合、筆記で行われ、かつマークシートではなく、自らスペルなども書かなくてはいけない形式となります(中には、選択肢問題もあります)。

簡単な例をあげると、女性と、家具会社の会話を聴き、家具会社がヒアリングした女性の家の情報や、家具の情報(住所、電話番号、欲しい家具の名前など)を正しく記入するようなものです。

ですので、ここでは一言一句たがえず、スペリングするようなスキルも求められてきます。ただし、会話文自体はそこまで難易度が高いわけでもなく、早口でもないので、言っている内容に関していえば、ある程度のレベルであれば理解できると思います。

他にも、TOEFLやTOEICのように、長文を聴いて、長文の話し手の意図を読み取るような選択問題もあります。

リーディング

リーディングも、リスニング同様、長文の中のキーワードを書きとらせる問題や、選択問題、並べ替え問題などがあります。個人的には、TOEFL, TOEIC, IELTSを比較すると、リーディングの文章の難易度は、IELTSが一番だと思います(新聞のコラムとかに近い形式です)。

60分の時間の中で、3つの長文を読む必要があり、時間的にもあまり余裕はありません

とはいえ、TOEFLで高得点(80点以上)を出すためには、70%以上正解する必要がありますが、IELTSで6.0以上の点数を取るためには、半分以上正解すればいい、という形式になっています。

この辺は、個人の嗜好によりますので、TOEFLとIELTSを両方解いてみて、得点率の高そうな方を選ぶことにしましょう。

ライティング

TOEFLは機械にタイピングする形式ですが、IELTSは鉛筆で黙々と書き続ける形式です。面倒なのが、TOEFLの場合時数をコンピューターがカウントしてくれるのですが、IELTSの場合自分でカウントしなくてはいけません。

文字カウントは、ライティング1(図表を要約する問題)で150字以上、ライティング2(自分の意見を述べる問題)で250字以上です。ルーズリーフみたいな紙に書かされるので、一行に書く文字数を10文字などで区切って、おおよその判断をしましょう。

スピーキング

TOEFLの場合、コンピューターに向かって吹き込むだけですが、IELTSの場合、試験官(外国人)との対話形式になります。この点、IELTSのほうが私はお勧めです。相槌もうってくれますし、発音や表現が不明瞭な箇所ではしぶい顔をしてくれます。

また、質問を聞き返すことも可能ですので、問題の大意をとらえ間違える心配もありません。

料金とスケジュール

料金に関しては、TOEFLとあまり大差ありません。TOEFLが28000円程度で、IELTSが25000円程度です(円相場によって推移しますが)。

問題はスケジュールですが、TOEFLはとにかく何回も行われていますし、ぎりぎりまで申し込みが可能です。また、試験結果も早くインターネットで見ることができるので、時間的に余裕が無い人は問答無用でTOEFLです。

対して、IELTSは試験回数が少なく、スケジュールも結構前々から申し込んでおかないといけません。例えば、2015年7月4日の試験を受けるためには、5月29日までに申し込む必要があり、ついでに申し込んだら一週間以内にパスポートのコピーをIELTSに郵送しなくてはいけません。

以上が、おもにTOEFLとの比較で見た、IELTSの形式です。次回は、試験当日の流れについて説明したいと思います。

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