英語の文法をしっかり勉強しておけば、将来多言語話者も夢じゃない

英語を勉強するメリットとは何でしょうか。大多数の人がキャリアや学業を理由にあげるかと思いますが、他にも、脳トレや、旅行や、趣味で語学の勉強をあげるかたもいます。

もちろん英語を勉強する理由は人によって異なりますし、取り組み方も真剣なものから趣味程度のものまでまちまちでしょう。

今回は少し趣向を変えて、英語を勉強する知られざるメリットである『他の言語習得への応用』という面から紹介していきたいと思います。

英語の勉強と多言語の勉強

我々は中高と、黙々と英語の勉強を続けてきました。大学でも英語がカリキュラムに組み込まれている人は少なくないと思いますので、受験勉強など加えトータルですでに我々は10年近く英語の勉強を行っている状況です。

正直、この10年という時間は一つの言語習得にかける時間としてはとてつもなく長いです。日常会話レベルと言われるB1レベルに到達するためでさえ、必要とされる時間は500~1000時間と言われています。

ここで表示されている『A1』~『C1』というアルファベット+数字の表記は、CEFRという、言語レベルを表す国際規格のことです。ヨーロッパ言語共通照枠(Common European Framework of Reference for Languages)の略。

ヨーロッパの学生は高校卒業時点で英語を話せますし、中国や東南アジアの学生も大学レベルであれば基本的に英語での対応が日本人よりもはるかに流暢に可能です。

この我々と他の国の学生の最大の差はなんなのでしょうか。それは、やはり『アウトプット』にいかに重点を置いているかどうかになります。海外の高校などでは、リーディングだけではなくスピーキングなども積極的に行われるのに対して、私の記憶する限り中高とほとんど『英文和訳』『リスニング』などの、インプット型の勉強を続けてきました。

更に日本の学校の特徴として『文法』を重視するきらいがあります。英語の文型、動詞の語尾、副詞と形容詞の違い、などなど、ヨーロッパの学生たちがリズムで覚えるような部分を、日本人は懇切丁寧に1から100まで憶えるので、そちらに比重が偏ってしまうのです。

ただ、この『文法偏重』の勉強方法も、悪いとこばかりではありません。実際にこの『文法の基礎』というのは、正確に英語のドキュメントや書物などを読む際に非常に重宝される能力であり、特に、島国という環境からスピーキングが必要性に迫られなかったのに対し、海外の知識などを蓄えるために、正確なリーディング能力に重点が置かれた教育になったと言われています。

そしてもう一つ、英語の文法をしっかり理解してしまえば、今回のトピックでもある『多言語への応用』が非常にしやすいメリットがあります。英語では10年かかりましたが、フランス語やドイツ語を大学卒業後に勉強したら2~3年で身につくことが多いのもこのためです。

英語の文法理解が他言語の習得を助ける

ポリネシアやアフリカの一部の部族を除いて、基本的に言語に特有の要素というものは共通しています。主語、動詞、名詞、形容詞、副詞など、これらの用語は英語の勉強でも耳にタコができるほど聞かされますが、他の言語でも十分に生かされるものなのです。

ゲルマン語族

まずは英語に一番近い例として、ゲルマン語族の言語を見てみましょう。ゲルマン語族とは、ノルウェー、スウェーデン、ドイツ、デンマークなど、北欧を中心に話されている言語を総括するグループ名のことで、英語もこのグループに識別されており、グループ内での言語の近似があるとされています。

例えば、ドイツ語を勉強するときには、文法関係でいえばわりと英語の応用でなんとかなるところが多いです。

(英)I can speak English.
(独)Ich kann Englisch sprechen.

I=Ich でともに主語(わたし)です。can=kannでともに助動詞の(可能)を指し示します。この構文で目的語となるEnglishはドイツ語でもそのままEnglischですし、動詞のspeakとsprechen(はなす)も似ています。ドイツ語の場合は助動詞が使われた場合、動詞が最後に来ますが。

ちなみに、オランダ語は英語とドイツ語の中間のような言語ですので、彼らは両方習得するのがとても速く、羨ましい限りです。

ロマン語族

さて、ヨーロッパには他にも語族があります。フランス語、スペイン語、イタリア語など南欧に位置する諸国で使用されている言語は、この『ロマン語族』に分類されることが多いです

(英)I drink a café.
(仏)Je prends un café.

ドイツ語と違って単語は違いますが、フランス語と英語の構文はとても似ています。上述の例ですとI=Jeが主語(わたし)、続いてdrink=prendsという動詞がきて、最後に目的語であるコーヒーがきています。

終戦後にどこかの小説家(志賀直哉でしたっけ)が『日本の国語をフランス語にしよう』と言っていましたが、そうなっていた場合英語の習得も早かったのかもしれません。

シナ・チベット語族

中国、チベット、それとビルマやそのあたりの少数民族などがこの語族に属します。よく中国語は英語の上達が早いと言われていますが、それもそのはずで中国語と英語の構文はかなり似ています。

(英)I drink beer.
(中)我喝啤酒

英語、中国語両方ともこの場合SVOの語順になっています。中国語のほうはなんとなく訳が無くても漢字でうっすらと意味がわかりそうですが、どちらも『私はビールを飲む』という意味です。

他言語習得で登場する様々な文法表現

上のところでいくつか例を出しましたが、基本的に言語の格子はどれも似ています。アラビア言葉は少し疎いので分かりませんが、上述のもの以外にもスラブ語族や東南アジア言語も、主語、動詞、目的語という基本構文で説明することが可能です。

そして、こうした新しい言語を習得するにあたって、英語の文法を理解している人は、そうでない人に比べて習得速度が二倍程度違います。これは誇張ではなく実際にそのくらい差が開きます。

特にドイツ語やフランス語では間接目的語と直接目的語の区別が重要になってきますが、こうした区別も英語の構文のO1とO2でしっかりと頭にいれておけば、そう苦労することなく習得することが可能になります。

逆に、英語を勉強する際にこういった基礎の部分をおろそかにしてしまうと、将来他言語を勉強するときにまた『一から』勉強しなおす羽目になり、とても厄介ですし時間がかかります。

中高のころ苦痛でしょうがない文法の勉強を乗り越えてきた人は、それは将来必ず役に立つものですし、そうでない人は今からでも十分間に合いますので、TOEICを機会に再び簡単な文法を理解しなおしましょう。

一方、我々は演繹的に、文法や基礎学習から枝葉を広げて様々なケースに応用していくと言う勉強方法をする必要がありますので、そのためにやはり『英語の基礎』が必要となってくるのです。

これが、英語の勉強の知られざるメリットです。

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