フリードマンのFour-sides modelで読む英会話の4つの階層

現代文の試験でよく問われるのが『行間を読む』能力です。ここでいう『行間を読む』とは、いわゆる『文章の背景にあるメッセージを読み取る』という意味で使われていますが、これは別に現代文の読解だけでなく、普通の会話においてさえもたびたび要される能力です。

今回は、この英語における『行間を読む』という技術についてまとめていきたいと思います。

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行間を読む(read between the lines)ということ

英語でも「行間を読む」というイディオムは日本語と同じで『read between the lines』です(詳しくは知りませんが、恐らく日本が近代になって翻訳するときにつくったのではないでしょうか)。

日本の文化はいわゆる『察する』文化だとされていますが、これは日本の専売特許ではなく、イギリスやドイツなど、ヨーロッパの北の方に位置する国においても同じように『人の言ったことを察する』技術は必要とされてきます。

簡単に言うと、女性が『最近近くに美味しいパスタ屋さんができたんだって!』と男性に言った場合、多くの場合でその背後には『一緒に食べに行こう』というメッセージが含まれています。もちろん、男女間ではなく、仕事、家庭、友人同士、というあらゆる場面において、この『行間を読む』ということが要求されてくるでしょう。

特にその『行間を読む』という技術に関して、ドイツのフリードマンという学者が一つの体型だった理論を打ち立てました。

The Four-sides model (“Hamburger Modell”) by Friedemann Schulz von Thun is in every German textbook on communication. It states that every message has 4 layers:

『フリードマンによって命名されたFour-sides modelは、どんなドイツのコミュニケーションの教科書でも紹介されている理論である。その理論によると、我々の発するメッセージは常に4つの層を持っている』

four sides model

four sides model

(引用:http://finding-marbles.com/2012/08/28/four-sides-model-the-relationship-layer/)

この理論によると、我々の会話は常に以下の4つの意味を帯びているとのことです。

  1. Factual information
  2. Appeal
  3. Self revelation
  4. Relationship

例えば上司と部下が遅くまで働いている状況で『What time is it now?』と部下の方が尋ねたとしましょう。この『What time is it now?』という質問には、いったいどのような意味が込められているのか。

それぞれの階層におけるメッセージの持つ意味

What time is it now?

このわずか5つの語句によって成り立っている文章には、実は以下のような4つの意図が隠されています。以下、それぞれの層における意味を見ていきましょう。

1.Factual information(具体的な情報)

このFactual informationとは、表面的な情報のほかには何も付与されていない状況のことです。部下が『今何時でしょうか?』と尋ねたので、その『information(情報)』としての価値は『今の時間を尋ねた』という物以外のなにものでもありません。

ただし、この『Factual information』を受け取るだけでコミュニケーションを終わらせてしまうと、我々のコミュニケーションは当然、円滑にはいきません。我々は少し踏み込んで、その背後にある別の意図にも注目していかなくてはいきません。

2.Appeal(要望)

上述のサイトによると、この『Appeal』とはすなわち「What the sender (speaker) wants to happen(話し手が求めていること)」を指します。このコンテキストで部下が『今何時ぐらいでしょうか?』と尋ねたとしたら、恐らく『そろそろ仕事を切り上げたい』という最終的な要望が込められていると察することができます。

日本においては、こうして行間の間に隠したとて部下が上司にこのような申し立てをすることは少ないと思いますが、基本的にイギリスやドイツでこうしたケースに遭遇した場合、意図されるのは『そろそろ切り上げましょう』です。

3.Self revelation(自己開示)

上述のサイトによると『Self revelation』とはすなわち「What the sender reveals about themselves – motives, values, emotions(話し手が、自身に関して開示したいと思っていること:動機、意味、感情など)」のことです。

このコンテキストでいうと、すなわち『私は長い間働いていてとても疲れているのだ!』ということを、暗に訴えたいと推測できます。

4.Relationship(関係性)

最後に『関係性』です。ここにおいては、以下のようなことが隠されています。すなわち『How sender and receiver (listener) get along; what the sender thinks of the receiver(話し手と聞き手の関係:あるいは話し手が聞き手をどう思っているのか)』ということです。

このコンテキストで行くと、話し手は恐らく『長い間働いているのだから気づいてくれ』といういら立ちの気持ちが隠されていることでしょう。

実際のコミュニケーションにおける「行間を読む」ということ

上述の例を活用して、一つ、以下の例を見てみましょう。
(引用元:http://finding-marbles.com/2012/08/28/four-sides-model-the-relationship-layer/)。

『Your team is a bottleneck!』

『bottleneck』とは「ペットボトルなどのくびれているところ」のことです。ここでは比喩として『妨げ、お荷物』といった意味で使われていますので、邦訳すると『お前の部署は生産の妨げになっている!』ということです。

ここには、以下のような意味が込められています。

1.Factual information

このテキストの持つ情報としての意味は『Your team is a bottleneck』に他なりません。ただ、これをそのまま馬鹿正直にうけとっても、当然コミュニケーションは円滑にはいきません。

2.Appeal

“Work faster(もっと早く働け!)”, “Work differently(他のやり方をしてみろ!)”, “Hire someone(誰か雇え!)”というような意図が、最終的には込められているでしょう。最終的な話し手の意図としてはともかく『生産の妨げにならないように、どうにか工夫しろ』ということです。

3.Self revelation

“I’m relieved it’s not my team(この部署じゃなくてよかったよ)”。これはサイト元に書かれていたことなので、100パーセントそぐうかどうかは怪しいですが、とりあえず自身との関連性において、自分のところとは関係ないね、ということが言いたいのだということです。

4.Relationship

“Your work is inadequate(お前の仕事は不十分だ)”、ということを、話し手は聞き手に対して印象として持っているとのことです。

もちろん、こうした『行間を読む』やり方は国や地域によって異なります。例えば、上述のように部下がそろそろ帰宅を切り出したいときの反応ですが、外国人の友人が以下のようなジョークを教えてくれました。

  • ドイツ人「What time is it now?(今何時でしょうか?)」
  • フランス人「Shall we call it quits?(そろそろ切り上げませんか?)」
  • イタリア人「Bye!(お疲れ!)」

ドイツ人は遠回しに上司に持ち掛け、フランス人は少し直接的に持ち掛けます。イタリア人はそもそも確認すらせずに、帰りたくなったら帰るとのことです。

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