英会話に聳える2つの壁:語彙を上手く引き出さないと英語は話せない

語学の勉強をしていると、必ず何度かにぶち当たります。もっとも、この壁は基本的にはポジティブに作用するもので、この壁を乗り越えれば英語力が再びがくっと向上するようなものです。

語学の習得は坂道ではなく階段である、と以前述べました。こうした壁を何度も乗り越えていくうちに、英語の能力は高まっていくのです。

英語の壁の2つの難所

さて、この数ある『英語の壁』の中でも2回ほど、かなり長い間伸び悩む時期が現れてきます。一つ目はTOEICでいうと600点付近であらわれる『英語で読めるか否かの壁』で、もう一つが英会話レベルに達して直に現れる『語彙力の壁』です。

  1. 英語で読めるか否かの壁
  2. 語彙力の壁

最初の『英語で読めるか否かの壁』に関してはすでに説明は不要だと思います。英文を読む際に一々日本語に訳さずに、英語で読めるかどうかの壁ということで、これを習得しないことには中々先にすすめません。

この『英文を日本語に訳す』という行為ははっきり言って無駄以外の何者でもありません。これらは全てやめて『英語の文章は英語として理解する』ということをしなくては、おそらくTOEICでいうと800点以上、英検で言うと準1級より上は難しいと思います。

さらに、英会話の途中で登場するのが二つ目の『語彙力の壁』です。上述の壁が『インプット』側の問題であるのに対して、この壁は『アウトプット側』の壁です。

英会話をやってみたことがある人は分かると思いますが、伝えたいことはあるのに、あるいはイメージはできているのに、英語の単語が出てこない、という現象が頻出すると思います。

例えば『fascinate』という英単語でも『見て理解できる』のと『概念として話すことができる』のとでは雲泥の差があります。例え我々が5000個の英単語を理解できていたとしても、恐らく日常生活でぽんと口にできる単語は半分にも満たないのではないでしょうか。

今回は、その『語彙力の壁』について触れていきたいと思います。

語彙力の壁とメカニズム

じつはこの語彙力の壁は、幼児期の言語習得プロセスにあたっても見受けられることが認めらえています。幼児は当初単語を単語として理解できずに、ただ『音』としてとらえます(意味はまったく考えません)。

例えば『馬』という概念は理解できずに、ただ『uma』という音だけを、頑張って口を丸めて真似してみようとみせます。しばらくすると、この『馬』という4つ脚の動物と『uma』という音が同じ意味を持つことを理解するようになるのです。

人間は当初、このように『物体的な概念』から先んじて憶えていくと言われています。『ママ』『パパ』『電車』『車』『犬』・・・などなど、図鑑やテレビなどでこのように目に見えるものであれば、上述のように『実物』と『音』を組み合わせるやり方がしやすいので、幼児たちは狂ったように単発の『単語』を覚え始めます。

やがて、これが『赤い』『青い』『美しい』などのいわゆる『形容詞』や、『帰る』『のぼる』といった『動詞』を覚えるに至り、最後により抽象的な『副詞』表現を覚えると言われています(興味深いことに、この逆に失語症の患者は抽象的な概念から忘れていき、最後まで憶えているのは名詞なんだとか)。

我々も、恐らく『名詞』を英語で表すことにはそこまで苦労はないと思います。飛行機、車、自転車、学校・・・など、目に見えるものを翻訳することはそこまで難しくありません。

問題はこのあとにやってきます。形容詞、動詞、副詞と言ったいわば『抽象的な単語』をとっさに英語で表現し、さらに文章にするには、幼児期のときでさえ時間を要する作業です。

というのも、幼児期に単語を蓄える時期が1年近く続き、それから抽象的な言葉を用いた、いわゆる『文章』を発するに至るようになるのです。

さて、そろそろ本題に入りますが、この幼児期の『単語を蓄える』とはどういう意味でしょうか?これは明らかに『文中にある英単語の概念を理解する』というだけにとどまらず『単語を自在に操る』ことが指示されています。

この『自在に操れる単語の数』を増やして増やして、あるときようやく爆発するかのように英語が話せるようになります。繰り返しますが『理解できる単語(日本語に訳せる単語)』の数ではなく『自在に操れる単語』のほうを増やさなくてはいけません。

自在に操れる単語の数を増やすにあたって

例えば英会話でなくても、ごく簡単に『将来の自分のプラン』とか『休暇の楽しみ方』とかについて1分や2分スピーチしてみてください、と言われたとして、まったく英会話に不慣れな状態でこのスピーチをこなすのはかなり困難です。

1文や2文、例えば『In the future, I want to~』みたいな英文は作れるかもしれませんが、その先の文章まで英語で組み立てながら会話する、というのは難しいものがあります。

と、いうのも我々はとにかく毎日毎日、日本語で思考することに慣れてしまっています。晩御飯のおかず、休日のプラン、明日の仕事のこと・・・具体的な単語も抽象的な単語も全て『日本語』であって、いわば日本語という材料を持って毎日思考という商品を組み立てているのです。

それを、ある日突然『英語』というまったく見ず知らずの材料を使って商品を組み立ててくれ、と言われてもどうしようもありません。どこにどの部品があるのか、本当にこのコンテキストで当てはめて問題ないのか、など脳の作業現場で混乱をきたします。

ここでは大きく分けて以下の2つの問題が噴出しています。すなわち「プロセス(文法)の問題」と「部品(単語)の問題」です。

最初の『プロセスの問題』は、これは以前このブログで紹介した『YouCanSpeak』などの矯正で無理矢理直す方法があります。日本語の思考プロセスを、いわば矯正ギブスをつけるように英語の思考プロセスを染み付ける方法です。

この教材は時間制限で淡々と進められていくので、機械的にこの『英語で思考するプロセス』に我々の脳を切り替えてくれることが可能になります。それは我々の脳が『無意識』に理解している部分であって、実際のところ母国語話者であれば鳥が学校に行かなくても空を飛べるのと同じ理屈で、習わなくても習得していた言語の思考プロセスです。

さて、そこでもう一つ困難が生じるのが『部品(単語)の問題』です。いくらいいベルトコンベアーが用意されていても、そこにくる部品がないのであれば英語の文章は咄嗟には作れません。

単に単語を記憶するだけでなく、それを素早く抽斗から取り出したり、あるいは似たような単語を咄嗟に識別し、今の状況に適した単語はこっちだ!と判断できる能力が必要になってくるのです。

このプロセスに関しては、順を追って説明していきたいと思います。まず先に『使える抽斗の語彙』を増やすやり方について、次回まとめていきたいと思います。

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