英語でのコミュニケーションにはつねに社会言語学的な問題がつきまとう!

英語を覚えたとて、実際にはネイティブと会話することよりも、英語を話す他の国の人(フランス人、中国人、韓国人など)と話すことの方が圧倒的に多いと思います。

そうした際には、やはり『国際コミュニケーション能力』あるいはCross Cultural Communicationと呼ばれるようなものが必要になってきます。

今回は、そうした『Cross Cultural Communication』についてまとめていきたいと思います。

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文化的背景が会話に及ぼす物:社会言語学的要因

我々の目的は『英語を話す事』ですが、もう少しつきつめると『英語で外国人とコミュニケーションをとること』です。英語で独り言をいうことが目的ではありません。

ですので、単に英語がペラペラだからといって、必ずしも外国人とのコミュニケーションがうまく取れるわけではない、というのは以前にもまとめました。『英語を話せる』ということはコミュニケーション前提条件ですが、英語を話せるからといって円滑にコミュニケーションができるとは限らないのです。

現に日本語を母国語として話す我々のコミュニティにおいても、時にコミュニケーション障害が生じます。つまり、最終目標を『外国人とのコミュニケーション』と据えたとしても、単に英語を勉強するだけでは不十分なのです。

今回、そのコミュニケーションの障壁の一つとなる『社会言語学的(Sociolinguistic)要因』について考察してみたいと思います。少しアカデミックな単語ですが、言っていることは単純です。

要するに、我々の国や文化が違えば、ある種の文は翻訳が不可能だということです。例えば中国では『Have you eaten?(もうご飯食べた?)』と、挨拶代りに聞くことがありますが、これは、我々のニュアンスでは『もうご飯食べた?(食べていないなら一緒にご飯食べない?)』のニュアンスを暗に含んでいることがあると思います。

しかし、中国人のいう『你吃饭了吗?(もうご飯食べた?)』には、そうしたニュアンスは含まれていません。あくまで『how are you?』的ものですので、厳密にこの『Have you eaten?』を日本語に訳そうとしたら『元気?』的なものになるのです。

Have you eaten?=你吃饭了吗?
直訳:もうご飯食べた?
意訳:元気?

この直訳と意訳のあいだには、中々埋めがたい穴が存在しています。以下の文が、具体的にこうした文化的、社会的な障壁について述べていますので参考にしてください。

Part of the challenge in learning a foreign language is to learn how to manage [he sociolinguistic uses of the language. At a simple level this means understanding how greetings vary across the world. In China, ‘Have you eaten?’ is a greeting, not an indirect invitation to a meal. In Fiji or Malaysia, ‘Where are you going?’ is not always an enquiry about a person’s destination, but again is a greeting. In Botswana, a greeting is ‘How did you wake up?’. Each language also has many informal greetings.

『外国語を学ぶ際に重要なことの一つが「社会言語学的要因」です。簡単な例でいえば、世界中の人々がどのように挨拶をするのかを見てみれば、その多様性が理解できると思います。中国においては「‘Have you eaten?’(もうご飯食べた)」とは、あなたを婉曲に食事に誘っているのではなく、あくまでただの挨拶です。同様に、フィジーやマレーシアでは「Where are you going?(どこいくの?)」はあなたの行先に興味があると言うよりは、これまたただの挨拶の意味です。ボツワナではこれが「How did you wake up?’」となります。このように、多くの言語が独特のインフォーマルな挨拶の形式をもっているのです。』

こうした要素を理解しておかないと、少なくとも外国人とのコミュニケーションを図るうえではストレスを感じたり、思わぬ誤解を生じさせる原因になるでしょう。

社会言語学的な各種の問題

この『社会言語学的』要因は、ある意味ボディランゲージの混同よりも根が深いものかもしれません。我々は共通の言語を話しているのにもかかわらず、相手と自分とでは、受け取るものが全く異なってしまうのです。

例えば、これにひっかけたブリティッシュジョークが以下のようなものです。

An Indonesian student in Britain (I) did not realize this when greeted by a British teacher (B) at a bus stop:B Hello. How’s it going?I I’m going home.

『以下、インドネシアからイギリスに留学に来た生徒が、バス停で見かけたイギリス人の先生との会話です。(イギリスの先生)「Hello. How’s it going?」インドネシアの生徒「I’m going home.」』

これは、イギリスの先生の言った『How’s it going?(ご機嫌いかが?)』という挨拶を『どこに行くの?』と取り違えて、インドネシアの生徒が『家へ行くんだよ』と答えたジョークです。

このケースであれば笑い話で済みますし、これは『How’s it going?』というイディオムを知らなかったインドネシア人の責任もあります。では、以下のようなケースではどうでしょうか?

The sociolinguistic uses of compliments can cause dilemmas about the nature of the expected response, as this dialogue between a Chinese speaker (C) and a British visitor (B) shows.C Your Chinese is very good.B Oh, thank youThis dialogue looks harmless until we consider what each speaker is thinking. C thinks B must be very boastful: B’s Chinese is not, in fact, good and C expected B to say, ‘No, no, it’s very bad’, since in Chinese a compliment should be rejected to show modesty. B is much happier: he has been complimented and he has thanked the Chinese speaker for his kind thoughts; he is not, in fact, immodest but is following the English rule that a response to a compliment often relates to the complimenter, not to the content.

『(中国人)「Your Chinese is very good(あなたの中国語はすばらしいですね!)」(イギリス人)「Oh, thank you(ありがとう!)。この会話の中で、恐らく中国人はイギリス人の友人のことを「なんて傲慢な」と思ったことでしょう。実際にはこのイギリス人の中国はそこまでよいものではありませんので、この中国人はてっきりイギリス人が「いやいや、まだまだですよ!」と謙遜してくるものと思った。というのも、中国ではお世辞には謙遜で返答することが美徳なのだ。一方で、イギリス人の方は中国人に褒められたことで喜んで、浅はかな考えからか中国人にお礼を言ってしまった。彼は決して、傲慢というわけではないのだが、イギリスのルールにのっとって、お世辞にお礼で返したまでである。』

こうしたケースの問題は、この背景的知識を知らないと、お互いにずっと勘違いしたままであるということです。もし、あなたが特段悪気もないのに、知り合いの外国人に嫌な顔をされたり、避けられたりしているのであれば、もしかしたらこのような、社会言語学的なすれ違いが原因かもしれません。

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